CustomerReviews
考える方法とそのまとめ方です by ヒデボン
この本は、「考える」ことの楽しさ、その考えたことをうまくまとめる方法について書かれたものである。
書物を読んだり、講義を聴いたり、その他種々の方法で入手した情報を自分のものにし、自らの思考を生み出すにはその情報を「寝かせる」必要がある。ある程度の時間を要するのだ。葡萄が発酵し、熟成する過程を経てワインに生まれ変わるように・・・・・。その間に、思わない出会いがあるかもしれない、これがセレンディピティ!、メタ思考!
「つんどく法」、著者のいう積んで読む勉強法の効用を述べたあとで、読んだ内容を「メタ・ノート」にまとめる方法が書かれている。その際にノートを使う方法、カードにまとめる方法等々で、極めて具体的な説明がなされている。ここで、「忘れる」ことの効用が説かれる。一方、メタ思考を経て自分の書いたことが「古典化」され、簡単には消えない、忘れない内容となっている。そして思考の整理とは、いかにうまく忘れるか、ということであるということが理解できるのだ。
(イギリス発の英文の諺に "ころがる石はコケ(お金)をつけない"というのがあるが、イギリスとアメリカとではその意味合いが異なるのだということを本書で知ることとなった・・・・・。)
創造的思考の大切さ by P2P
話題の本ということで手にとってみた。「思考の整理学」というタイトルの通り、ものごとを考えるにあたってのコツが、テーマごとにエッセイ風に書かれている。自然と自分自身も実践している内容にうなずいたり、目からウロコな方法に気がついたりと、読み物として面白い。しかし、それよりなにより、人間として創造的に考えることの大切さを改めて感じた。「知る」ことと「考える」ことの違い、自ら意識的に試行錯誤することの重要さ、等。他の方も書いているとおり、今の時代にも通用する、いや情報過多の現代にこそ認識すべきメッセージがある。
20年前に書かれた本とは思えない by hamachobi
ちょうど20年ぐらい前、大学に入った頃に読んだ本。当時は、その凄さはよくわからず、むしろ、何を古臭い当たり前なこといってるんだろうって思った。当時はもっとポストモダンといった華やかな本が流行っていて、こういった当たり前のことは素通りしちゃったみたいだ。
でも、最近はビジネスマンの間でも仕事術とか思考法なんかが流行っていて、関心が高まっている。
先日読んだ『地頭力』なんてすごく売れている本だが、この『思考の整理学』に出てくる抽象化の話にそっくりなところが出てくる。全く陳腐化していない内容だ。
きっと、この本自体がとっても抽象化されていて、たとえ時代が変わっても、その時代に適合するように読むことが可能だからだろう。
また、20年前にコンピュータがこれほどまでに普及し、人間に要求される能力が変わっていくことを予見していたなんて、すごいことだ。
それに文章も非常に読みやすい。この本を読んで得した気分だ。
現代に足りてないもの by 青ち
ベタな動機ですが、「東大・京大で1番読まれた本」という帯に惹かれて読んでみました。
なるほど。
つまり、「昨今の東大生や京大生でも、こういうことは教わってこなかった」ってことなんでしょうね。英文学専攻の学生や文系の学生だけで東大や京大のベストセラーが作り上げられるとも考えられないので、ここに書かれていることに惹かれるのは、人文科学/社会科学とか文系/理系とかいった区分を超えた現象だと思われます。
忘れること・捨てること・考えること・寝かせて発酵させること・喋ること・褒めること・書くこと…などについて書かれている諸々の事に関して、これを手に取る大学生は、小中高とどんなことを学んできたんでしょう。でもって、大学では現在、どんな教育指導がなされているんでしょう。
この本を「古臭い」と切り捨てて平然といられる人間の多い分野ほど、実はこの本を手に取る学生が多いような気がするのは、もちろん評者の偏見です。けれども、細々とした技術的なハウツーはともかくとして、人間が思考するためのハウツーは、そんな簡単に進歩するものではないでしょう。
もしかしたらこの本は、「思考するにあたって、今ではすっかり忘れられてしまっている何か」を思い出すためのヒントになる可能性を感じさせてくれるからこそ、今になって改めて話題になっているのかもしれません。本書に沿って言えば、漢文の素読や古典文学に親しむことの意味あたりから、とりあえず考えてみてはいかがでしょうか。
「アイデアの放置と熟成」のプロセスがここに! by たつパパ
あふれる思考を書きとめ,熟成させ,時を経て収斂させれば,その人の確固たるアイデアとなりうる!と主張するエッセイですが,初版が1986年というこの本自体がすでに時の試練を経て古典化してます。
計算機が一般事務に進出してない時代の話にもかかわらず,人間の知的活動への影響を予見。与えられた問題を早く解くことを良しとするグライダー型から,自ら発進する飛行機型への転化を推奨。今でも通用する考えです。
「メモ帳を持ち歩き,思いつくたびに書きまくる。読み直して『使えそう』と思ったものは別のものに転記し,情報を書き加えてネタにする」
「しばらく考えても解決できなかった問題は長々と取り組まず,放置して寝る。翌朝以降にもう一度向かうとアッサリできちゃう場合が多い」
といった行動に根拠が与えられているところが良かったです。
