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ヴェネツィアが生き残るための選択とは by たつこばあ
ヴェネツィアの1千年にわたる興亡の歴史。
文庫版第1巻は異民族からの侵略を逃れ、海の上に都市を作ったヴェネツィアの誕生、魚と塩を売るだけの商売から交易に従事するための海洋国家としての進化、そして第4次十字軍を通じたヴェネツィアの発展までを描いている。
地理的にも資源的にも圧倒的に不利な状況で1千年もの間、ヴェネツィアが海洋国家として生き残ってきたエピソード、エッセンスが節々にちりばめられております。周到な準備、巧みな外交交渉、現実的な判断など今を生きるビジネスマンにもよい示唆が得られると思います。毎日の通勤が楽しみになる本です。
兄弟の多い人みたい by ジリオ
文庫本6冊、一気に読みました。教科書とは全く違って、著者が自分で調査し自分でまとめあげ、自分が興味あることを、自分の言葉で書いていると肌で感じることが出来ます。
まるで1,000年以上、ヴェネチアで暮らしていたかのよう...(笑)
特に印象に残ったのは、これからのヴェネチアがどれだけ優位に立てるか、敵でも味方でも利用しつくしていることです。過去にこだわって意地をはる、なんて愚の骨頂。
トルコのスルタンの怒りを納めるため、自国の高官を死刑にすることも「あり」。トルコと一緒に笑い、バチカンと一緒に泣く。
兄弟の多い大家族で育った人も、こんな性格していませんか?
上の兄姉を見ながら何をどうすれば自分が有利になるかを常に考えている人。会社間の取引でこれをやってくれれば大成功。でも、個人間でこれをやられると「調子のいい嫌われ者」になってしまいますね。
だから、ヴェネチアは「個人」を目立たなくして共和制を続けてきたのでしょうか。
地中海世界の1000年をたどる by mfhty
本書は、もう十数年前に、中公文庫版で読み、優れた歴史書と感心した覚えがある。
イタリアの小都市国家にすぎないヴェネツィアがなぜ千年もの間、独立と繁栄を享受できたのかが、いきいきと伝わってくる。
そして、ヴェネツィアという「定点」からみて、ヨーロッパやイスラム世界がどのように動いていったかが理解でき、ともすれば、バラバラな知識の寄せ集めになってしまう歴史知識がきれいに整理できる。
特にヴェネツィアに行ったことがある人にとっては、水に包まれた、あの不思議な祝祭的な都市空間が、こんな遥かな歴史をたどってきた結果できたものということに深い感慨を抱くことと思う。本書は、よくある陸地の歴史ではなく、海からみたヨーロッパ・イスラム通史といえる。
そしてさらに、読者は、千年の都があっけなく潰えることとなった近代国家の成立とは何なのか、現代とは何なのかを考えることとなると思う。
様々に示唆に富み、読んで興味深い、塩野七生氏の代表作。お勧めします。
半分つまり1冊読んで考えた、、、 by flora
塩野の作品はとても男性的でまるで戦略をたてる男なのかはたまた政局を取る立役者
なのかと、おもしろくていまのところ快調にページは進んでいる。
一度読んだのだがなにか釈然としなかったが今回ようやく分かるかと思われる。
それは、千年も何故あの小さなヴェネチアが沈まなかったかと言うことだ。
しかし、表題の美しさからすると海の不思議もわかってきた。
これからさき読みすすめば案外ははーんやはりなというのが分かってしまうのだろう。
共和国つまりは人と海との戦いが静々と長きに渡り続いたのだなとなんとなく
分かる。みなさまも購入されてメルヘンではない水の都の栄枯盛衰をお楽しみください。
推薦いたします。
優れた歴史書 by JAZEE BLUE
生き延びるには過酷な条件の中、小国でしかないヴェネツィアがいかに自由と独立を守り続けたか、それが生き生きと伝わってきます。大部である一千年の通史ですが、一気に読めます。
歴史上の出来事、政治のシステム、経済上の制度、そしてバックボーンとなる彼らの考え方に力点をおいていますが、個々の人物もきちんと描かれ、市井の人々がどう生きていたかもわかります。
「近くの味方は、しばしば近くの敵より始末が悪い」、「国作りとは、その国の民族の性格の反映」、「大義名分が有効なのは〜周辺の強国の抗議の口をあらかじめ封ずるのに役立つから」等興味深い言葉にも出会えます。
